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ステッカーを作る:

01.ステッカーを作ろう

ことの始まりはLINEスタンプ。クリエーターに公開されるニュースを聞いた時から、興味はあった。でもファミコンのRとLボタンも使いこなせない私には、ペンタブのペンについたボタンを押して描いていく操作が難しい。鉛筆と紙で描いてスキャン、Adobe Illustratorでトレースしても、精度がいいとはいえ自分のイメージと違うものになっていく。イメージした通りのものが作れないがっかり感は、スタンプの最低数40個分となるとなかなかのもの。何も形にならないまま月日は過ぎて、気づいたらLINEの登録スタンプ数は3万を超え、市場は飽和状態。もはや相当の運がなければ自分のスタンプなんて埋もれるだけ。スタンプ長者なんて言葉も生まれてビジネスチャンスがあるように見えても、実際には売上が1万円に達してはじめて払い戻し手続きができるなんて言うちょっとせこいカラクリ"1万円の壁"もあって...いよいよ二の足どころか一の足も出ずにいた。

 

iPad Pro&PencilとiPadアプリ

そんなくすぶり状態の私の背中を一気に押したのが、"iPad Pro"と"Apple Pencil"の衝動買い。主婦にはなかなかのお買い物、たくさん遊んで楽しもうと思った。まずはiPadアプリの"Adobe Sketch"で描いてみた。楽しすぎ。筆圧の再現性、ペンの種類、レイヤーの操作性、写真トレースなどの描画環境作りのお手軽さ。手元操作も気にせず、普通のペンとして描き進められる。描いたものをPCのIllustratorとかPhotoshopに移してもっとこんな風にしたいと、創作意欲がどんどん刺激される。実際にAdobe Creative Cloud(CC)を使えば、レイヤーを保持したまま(PSDデータ形式)でiPadからデスクトップに絵が移せることに気づいた時には本当に感動した。ただ、全部"CC"の話。サブスクリプション制(月額制)になったCCにバージョンアップをするとさらなる出費。レイヤー保持は諦めて一枚の画像になったものを保存してDropbox経由でMacに移すか...それだけでもペンタブ奮闘時代よりはずっと進歩だ。でもそれではせっかくのiPad Pro(10万円)がもったいない。フォトプラン月額¥1,000、主婦相場に換算してランチ1回分。ただ、Illustratorは使えなくてPhotoshopとLightRoomだけ。コンプリートプラン月額¥4,980。一番安いコースのスポーツクラブ代と思えば似たようなものだけど、やっぱり高い。結局、"フォトプラン"とiPadは"Adobe Draw"、Macは"PhothoshopCC"と言う組み合わせでスタートしてみることにした。iPadのツールにSketchでなくDrawを選んだのは、塗りつぶしツールが使いたかったから。(そのあと、DrawもSketchもパワーアップしたようなので、そのうちSketchも再度いじりたいと思う)

 

iMessageステッカーにしようか、LINEスタンプにしようか

何事も形は大事。デジタルツールが決まったら、描きやすい紙とシャープペンも新調して、蔦屋家電に出没してみたりしてひたすら絵を描く。これは間違いなく楽しい作業で、1週間ほどで80個の絵が一気に描けた。CCを使ってデスクトップに絵を移して、とりあえずはLINEスタンプに引っかかるものは感じつつも、LINEスタンプ規約に合わせたサイズと個数のPNG画像を仕上げていく。iMessageステッカーは、情報の少なさ、日本での認知度、Xcodeとかいう新種のものに手を出さなければならないらしいハードルの高さ...。それに比べてLINEスタンプは山ほどあるノウハウサイト、サポートも全部日本語。iMessageをすすめる夫の言葉を遠くで聞きつつ、やっぱりLINEスタンプでいいやとそのまま審査に出す。2週間ほどで審査通過。あとはワンクリックで世に出て行くネコデアルだが、ここまで来たのに手が止まってしまった。その理由は、LINEスタンプワールドがあまりにもう出来上がっていること。クリエーターズマーケットにログインする度に「素敵キャラランキングに応募してください」画面がしつこく出て、そんなに素敵とも思われない一定のルール(ゆる?カワ?キモ?)に区分けできそうなどれも似た感じのキャラクターが出てくる。内輪で盛り上がっている空気感。創作の表現の場所というよりもみょうにお金くさい。コニーとブラウンを囲んだ入る隙間もなさそうな感じ。売れる要素を盛り込んだユーザーベースのものを突き詰めれば素敵キャラに選出される何かが作れるのかもしれないけれど、そのために描きたくないものを描いてもきっと楽しくない。

LINEは主に日本での市場がメイン(海外100ヶ国以上対応と言いつつ実際は宗教や習慣上の事情だの言語の問題だのLINE独自の縛りなどあって市場はすごく限られる)だけれど、AppleのiTunes Storeならその市場はAppleユーザーという制限はあっても、自己責任の元で世界中に広がる。細かな規約も調べる限りあまりなさそうで、素敵の定義も売れる要素もゆるくも可愛くもキモくもある必要がなく、誰かが先導するのでなく世界中の様々な価値観に向けて開放されている。その自由さに惹かれた。英語サポートページや情報探しの労力、Xcode未開の地を開拓するエネルギーも、その魅力の前では何でもない気がしてきた。せっかく審査に通ったのだからLINEスタンプも販売だけしようか迷うが、もし売れたなら自分のものと思うと取り戻したくなる「1万円の壁」到達のために数字を見て一喜一憂するのは面倒くさい。すっぱりLINEスタンプへの気持ちが冷めた。iMessageステッカーを出すための必要経費としてApple Developer Program登録料が同じように1万円弱かかるが、先払いのこの1万円は自由な世界への入場料なわけで、なんだか夢のある楽しいお買い物感覚だ。SwiftとXcodeの概要の勉強、解説があまりないSticker Packを使ってのiMessageステッカー作りは手探りで、久しぶりに頭から湯気を出して実にもがいたけれど、どの過程も楽しかった。いよいよApp Storeにネコデアルが出た日の達成感は1万円以上の価値があった。そんなで、ネコデアルはえいっと無料にしてしまう。

 

おまけ

ネコデアルを公開して早速使ってみたら、今度はiMessageの楽しさに感動した。エフェクトの数々、ユーモア満載のイメージクリップ...Android非対応というのがユーザが増えない理由とは思うけれど、それにしてもこんなに面白いのになんで日本ではこれほど流行らないのか。右向け右の国民気質をしっかり握って独り占めのLINEにますます闘争心が湧いてきた。すっかりiPad Proから始まってiTunes Developer Programで私を楽しませてくれる熱烈Appleファンとしては、ここは恩返しのしどころ。ネコデアルサイトを作って、細々でもiMessageやステッカーの楽しさを知ってくれる人を増やしたいと思った。それでできたのがこのサイト。新しいことついでで無料お試し版で"Muse"を使ってみたら、これがまた楽しい。HTMLだのCSSだの頭悩ます工程もパズルのようで楽しいから普段はDreamweaverを使っていたけれど、Museの楽しさは異質のもの。スクラップブックを作るような感覚でウェブができていく(コードを直接触らず変な動きを勝手にして融通が効かないところはイラっとくるが)。結局Museも使いたくなり、Adobe CCもフォトプランからコンプリートプランに変更。ラッキーなことに特別割引のメールがきて、この1年間は月額¥2,980になった。とりあえずこの1年は、初期投資した分はしっかり楽しみたいと思う。

 

2016年11月

 

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PS.

ステッカーの配信を始めて3ヶ月。あまり宣伝できていない割にはインプレッション数もAppユニット数もそれなりの数が出ていて、個人的にお問い合わせいただいたりと、様々な反応があってありがたい限り。ただ、親しい人からはやっぱりLINEでも出して欲しいとの声。親しいだけに、無理にiMessageを強要してその人の携帯メッセージ環境を複雑にするのも心苦しい。メール(SMS/MMS)、メッセージ、Messsanger、LINE、Twitter、すでにたくさんあるから...私もどれに新着が来たんだっけとメッセージを探すこともある。散々悩んだ挙句、LINEスタンプリリースをこの度決めた。ちょっと敗北感。でも、”iMessageステッカーだけ”作戦を思いついた。それ以外は全部有料、それ以外は手に入らない絵がある。それならiMessageやってみようかな、の入り口になってくれたらいいな、そのくらい魅力的なネコデアルに成長させようと、もやもやっとしている分を頑張るエネルギーに変えたいと思う。ファイルが謎の破損を繰り返すMUSEの不安定さになんどもやる気を折られつつ、再度一念発起する。

2017年2月

上矢印
(c)2016 NobukoKuronuma

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